国の特別天然記念物に指定されている「相良のアイラトビカズラ」の花が咲いています。長くトビカズラを観察されている竹下輝幸さん(山鹿市文化財保護委員長)によると「例年より開花時期が早く、見ごろは4月20日以降ではないか。花の数も多いようだ」とのことです。昨年は4月27日に花の見ごろを迎え、5月上旬まで観察することができました。
1 相良のアイラトビカズラの概要
相良のアイラトビカズラはマメ科トビカズラ属の木本木性ツル植物です。樹齢千年以上とも伝えられ、国内では生育数が非常に少ない植物です。天草や佐世保で自生が確認されていますが、国の特別天然記念物に指定されているのは、このトビカズラだけです。
中国大陸中南部に分布する常春油麻藤(じょうしゅんゆまとう)と同じ種類で、毎年4月下旬から5月初旬ごろ、紫色の花がブドウの房のように垂れ下がって開花します。
伝説では平安時代末期の源平騒乱で相良寺に火がかけられたとき、寺の本尊である千手観音がトビカズラに飛び移って危うく難を逃れたとされます。かつては国家の有事の時しか花が咲かないと言われていましたが、近年は毎年開花しています。
令和6年4月25日撮影
令和6年4月11日撮影