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令和7年度 世界かんがい施設遺産 認定決定! 「湯の口ため池・井手」

最終更新日:

 国際かんがい排水委員会(ICID)は、「湯の口ため池・井手」を世界かんがい施設遺産として新たに認定することを決定しました。  

  • 夕暮れに染まる湯の口ため池
    夕暮れに染まる湯の口ため池


湯の口ため池・井手 ~近世くまもとの公共事業の父 遠山弥二兵衛~

(1)施設の概要

 湯の口ため池は約170年前に建設され貯水量50万トン、かんがい面積500ha(当時)を潤し、山鹿市蒲生(かもう)地域の農業を支えてきました。ため池が整備される前の本地域は、毎年のように水不足に悩み、農家自らが食べる食料も無い状況であったが、菊池川の支流である上内田川の用水路より分水し、山を掘り、ため池を作り、そこから用水路を整備し荒れ地を開拓した。

 事業の施工にあたっては、現在でいうところの広域行政の単位である「手永(てなが)」が主体となり、その総責任者である遠山弥二兵衛による主導のもと、費用見積、設計、施工管理に至るまで全て「手永」による自主運営でなされていたことが文献に残されており、村人達に資金の拠出や区役(無償労働)を求めない旨の説明会をしていたことも記されている。これは熊本藩独自のシステムである「手永制」により、農業水利事業が幕府や大名といった領主権力による実施から、「手永」という地方行政組織も事業実施主体としての役割を担っていったことが伺えるかんがい施設である。

 遠山が亡くなった後、村人は彼の恩を忘れないようにとため池のほとりに遠山(とおやま)神社を作った。それから168年、現在も蒲生地域では農家も非農家も関係なく住民総出によるため池の清掃、草刈など長期にわたり適切に維持管理をされているほか、人々は毎年4月4日に遠山神社に集まり、そこには遠山の子孫を遠方から招待し、彼の功績を偲びながらお祭りが行われるなど、伝統文化を育んできている。

 また、2017年4月、菊池市、山鹿市、和水町、玉名市を流れる菊池川流域の米作りが「日本遺産:米作り、二千年にわたる大地の記録~菊池川流域『今昔』『水稲』物語~」の認定を受けた。この中で、湯の口ため池はストーリーを構成するために必要な文化財群の一つとして位置付けられている。

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    遠山神社

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    湯の口ため池全景



(2)施設の名称

 湯の口ため池・井手(ため池)


(3)申請者

 山鹿土地改良区 理事長 齋藤 登


参考

 (対象施設・登録基準)

 〇建設から100年以上経過(供用廃止施設も対象)

 〇農業水利施設であること(堰、水路、ため池など)

 〇9項目の基準のうち1つ以上満たす施設

(1)かんがい農業の発展において、重要な段階又は転換を象徴する施設であるとともに、農家の経済状況の改善に加えて農業発展及び食糧増産への寄与が明確である施設

(2)地域における食糧生産強化、生計の向上、農村発展、貧困削減に大きく貢献した施設

(3)伝統文化又は過去の文明の痕跡を有する施設


(国際かんがい排水委員会)

 かんがい排水に係る科学的・技術的知見により、食料や繊維の供給を世界規模で強化することを目的として、1950年に設立された自発的非営利・非政府国際機関。日本は1951年に加盟。82の国・地域が加盟し、各国は国内委員会を設置している。

※ICID : International Commission on Irrigation and Drainage 本部所在地:インド、ニューデリー


添付資料


農林水産省ホームページ(プレスリリース)

令和7年度世界かんがい施設遺産の認定について:農林水産省





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